もくれんさんのブログを読んでいて、頭に浮かんだ(関係あるような無いようなあるような)事。
3年前までお台場にあった「ヴィーナスフォート」というショッピングモール。ここのキャッチフレーズは「女性のためのテーマパーク」でした。
で、Wikipediaの写真ギャラリーなどで今も確認できますが、この施設の天井には演出として「空」が描かれていたんですね。
青空から夕暮れまで非常に鮮やかな「空」が演出されていましたが、その「空」は実際には頑丈な素材の隙間無い天井。外光は一切入りません。
むしろ、そうした空間に閉塞感を出さないよう考えられた演出なので、野暮は重々承知の上なのですが、女神の名前を冠した「女性のためのテーマパーク」の天井が「絵に描いた空」って…なんだか妙な皮肉を感じてしまいます。
ヴィーナスフォートは再開発に向けて2022年に閉館しましたが、計画の変更などがあったようで、とりあえず建物は壊されずに別の施設として再オープンしています。その現在の施設名とコンセプトは…
イマーシブ・フォート東京
「イマーシブ」は「没入感」という意味ですが、最近は一般にVRや立体音響など、コンテンツの中に完全没入するタイプの娯楽を指す事が多くなっています。
そうしたエンタメやテクノロジー自体にはむしろ大いに興味があるんですが…、一方で自分の中の皮肉屋権兵衛が「〝絵に描いた空〟から、〝非現実への没入〟とはこれまた…」とブツブツ申しております。
ガラスの天井の上は鉛の天井なのに、気づかないうちにVRゴーグルやヘッドフォンをスポッとはめられて、その中で再生される、それはそれは開放的な青空を観させられて魅せられて…でもその外側の現実は日光の全く入らない空間で、ブロイラーの飼育舎のように人々がぎゅうぎゅう詰めにされている。
もし「日本の現実」がそんな様相になって行ったら、あまりにホラー、あんまりなディストピアです。
「日本初の女性首相」というイマーシブ動画を観させられているゴーグルの外側の現実では、男尊女卑が1mmも動いていないどころか、皇統問題の「時間切れ」が迫る事でむしろ後退しているのかもしれない。
現実の空からは、紫外線や風雨だって降り注ぐけれど、それをしのぐ感動、開放感(=実存)がある事は、本当は誰だって知っているはずです。
闇の中で夢想に浸るか、「天の岩戸」を取り払って空のもとに飛び出すか、日本はいよいよ本気で迫られているんじゃないでしょうか。
こんな事を書いていたら、ザ・モップスの「窓をあけろ」という曲(作詞・作曲:井上陽水)が頭に流れてきました。興味がある方は、よかったら検索してみてください)。





















